「弁当の日」竹下和男先生 講演会レポート

2025年2月22日(土)、中央公民館 講堂にて、NPO法人アースアズマザー千葉主催の「弁当の日」提唱者・竹下和男先生の講演会が開催されました。当日は地域の方々や学校関係者、各校PTA役員などを含め、およそ100名ほどの参加者が集い、熱心に耳を傾けていました。以前より「弁当の日」に注目していた方も多く、講演会を心待ちにしていた様子が伝わってきました。

講演のテーマ:「弁当の日」の魅力と広がり

竹下先生は、香川県の滝宮小学校校長時代に「弁当の日」を始めました。子どもが自分で弁当を作るという取り組みを通して、食の大切さや親子のコミュニケーションの在り方を学ぶことを目的としています。現在では全国各地に広がり、多くの学校や家庭で取り入れられるようになりました。

今回の講演会では、

  • 親が極力手出しをせず、子ども自身が弁当づくりを行う意義
  • その経験が子どもの脳や感性を育むうえでいかに大切か
  • 「弁当の日」が地域や家庭にもたらすプラスの効果
    などを、竹下先生の豊富な実体験をまじえながら具体的にお話いただきました。

「非認知能力」の大切さ

講演中、竹下先生が強調されていたのが「非認知能力」の重要性です。読み書き計算などの「認知能力」を高める教育はもちろん大切ですが、それ以前に「困難を乗り越える力」「コミュニケーション力」「主体性」などの非認知能力を育むことが、子どもたちの未来にとって不可欠であるとのことです。
「弁当の日」は、食材選びや調理の工程を通じて子どもが主体的に考え、行動し、失敗や試行錯誤を重ねる中で、自然と非認知能力を育む取り組みとして、多くの気づきを得られると感じました。

講演を受けて

すでに野田市内のいくつかの学校では、「弁当の日」の取り組みを実施していたり、次年度に実施を計画しているところがあるそうです。山崎小では今のところ具体的な計画はありませんが、今後、学校との話し合いを重ねる中で「弁当の日」を視野に入れられれば、PTAとして最大限のサポートをしていきたいと考えています。

私自身も今回の講演を拝聴し、スマホやゲーム機、インターネットを安易に与えてしまうことの悪影響を、改めて深く考えさせられました。子どもが静かになってくれるからといって、ついつい動画を見せるだけで済ませてしまうような行動は、子どもが自ら考えたり試行錯誤したりする貴重な機会を奪ってしまいかねません。まさに「非認知能力」を育むうえで重要な体験を、大人の都合で奪っていないかを省みるきっかけになりました。

今後に向けて

「弁当の日」は、作ること自体がゴールではなく、その過程で子どもの心と体が大きく成長する点が最大の魅力です。学校や家庭で取り入れる方法はさまざまですが、子どもたちが主体的に行動し、保護者や地域の大人がそっと支える――そんな環境づくりを、PTAとしてもしっかり考えていきたいと思います。

投稿者 [会長] 常盤